スローアウェイチップとは?基礎理解から始める
まずは「スローアウェイチップとは?」という基本から整理します。
スローアウェイチップとは、切れ刃部分のみを交換可能にした刃先交換式工具のインサートのことです。ホルダー本体は繰り返し使用でき、摩耗したチップのみを交換することで生産性を維持できます。
刃先交換式工具には、
旋削加工用(Turning Tools)では、外径バイト(外丸削り)、 内径バイト(ボーリングバー)、 溝入れバイト(突切り・溝加工)、 倣い加工用バイトなどがあります。
フライス加工用(Milling Tools)では、正面フライス(フェイスミル)、エンドミル型カッター(インサート式)、ラジアスカッター、Tスロットカッター、サイドカッター、高送りカッターなど。
穴あけ加工用(Hole Making Tools)では、インサート式ドリル、ボーリングヘッド、カウンターシンク/座ぐり工具があります。
スローアウェイのメリット・デメリット
メリット
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刃先交換が容易で段取り時間を短縮できる
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安定した品質を維持しやすい
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多様な材質・形状が規格化されている
一方でデメリットもあります。
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標準規格ゆえに形状の自由度が限られる
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特殊形状加工には対応しづらい
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特定ワーク専用設計には最適化しきれない
つまり、汎用チップは“万能”ではあるものの、“最適”とは限らないのです。
汎用及び市販スローアウェイチップを追加工・改造で特殊工具へ変身
そこで注目されているのが、
「汎用及び市販スローアウェイチップを追加工・改造で特殊工具へ変身」させるという発想です。
スローアウェイチップの追加工・改造とは
市販チップに対して、
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特定R形状への成形
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特殊溝加工
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逃げ角・すくい角の最適化
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切れ刃形状の変更
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ブレーカ形状の調整
などの追加工を施し、特殊切削工具として再設計する技術です。
これにより、完全新作のオーダーメイド切削工具を一から製作するよりも、コストや納期を抑えつつ専用化が可能になります。


図表:既製チップ vs 追加工チップ
| 項目 | 市販チップ | 追加工・改造チップ |
|---|---|---|
| 形状自由度 | 規格内 | 高い |
| 初期費用 | 低い | 中程度 |
| 納期 | 即納 | 短納期対応可能 |
| 専用性 | 汎用 | ワーク特化 |
| 差別化 | 難しい | 容易 |
このように、追加工は“汎用と特注の中間解”ともいえる選択肢です。
追加工・改造がもたらすコストと納期のメリット
一から特殊切削工具を作る場合との比較
フルオーダーのカスタムメイド切削工具は自由度が高い反面、設計工数・製作コスト・リードタイムが増大します。
一方で、既存の市販チップを活用する場合、
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母材調達が不要
-
標準ホルダーを流用可能
-
設計時間を短縮
といったメリットがあります。
したがって、「専用化したいが、時間も予算も限られている」という現場には極めて有効です。
量産現場での活用シーン
例えば、
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自動車部品の溝幅微調整
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ロボット関連部品の段付き加工
-
半導体装置部品の微細形状仕上げ
など、“あと一歩の最適化”が歩留まりや加工時間に直結するケースです。
実際に、標準チップではビビリが発生していた加工ラインで、逃げ角と刃先形状を再設計したことで、加工時間を短縮しながら寿命を延ばせた事例もあります。
このように、追加工は単なる改造ではなく、工程改善の武器になり得ます。
追加工・改造の進め方と注意点
スローアウェイチップとホルダーをお客様から支給
追加工・改造では、
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使用中のチップ
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対応ホルダー
をお客様から支給いただくケースが一般的です。
その上で、
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現行加工条件のヒアリング
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ワーク図面の確認
-
干渉・強度・寿命の検証
-
追加工設計
というプロセスを踏みます。
単に「削る」「形を変える」だけではなく、加工現場全体を理解した上での設計が重要です。

競合との差を生む“特殊化”という選択
市場競争が激化する中で、価格競争だけに頼るのは危険です。
そこで重要になるのが、「加工工程そのものの差別化」です。
市販工具をそのまま使う企業が多い中、
追加工や再生加工を取り入れる企業は、
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工程短縮
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工具コスト削減
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品質安定化
を同時に実現できる可能性があります。
これは単なる工具改造ではなく、生産戦略の一部です。
ハマツールの対応力
株式会社ハマツールでは、
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特殊切削工具の設計・製作
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スローアウェイチップの追加工・改造
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再生加工
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アフターフォロー
まで一貫対応しています。
市販チップの可能性を最大限に引き出し、オーダーメイド切削工具へと昇華させる。それが当社の強みです。
まずは課題整理から
「既製工具で本当に最適か?」
「専用工具を作るほどではないが改善したい」
「廃番チップを活かせないか?」
このようなお悩みがあれば、追加工・改造という選択肢を検討してみてください。
競合と同じ工具を使い続ける限り、大きな差は生まれません。
しかし、既製チップを一工夫するだけで、加工現場は大きく変わる可能性があります。
まずは現状の課題をお聞かせください。
➡お問い合わせはこちら
汎用から専用へ。
市販から差別化へ。
スローアウェイチップの追加工・改造は、
“無限の可能性”を秘めています。