持続可能な「ものづくり」を支える二つの柱
切削工具は製造業における「ものづくり」の根幹を支える極めて重要な要素です。しかし、どれほど高品質な工具であっても、使用を続けるうちに必ず摩耗し、切れ味の低下や精度不良が発生します。摩耗した工具をそのまま使い続けると、加工不良による歩留まり低下、ワークのダメージ、機械への負荷増大、さらに突発的な工具破損によるライン停止など、多くのリスクを生む可能性があります。
ところが現場では、「まだ切れるから大丈夫だろう」「交換の手間を考えると後回しにしたい」といった理由から、摩耗した工具を限界まで使い続けてしまうケースも珍しくありません。結果として、かえって生産性を落としたり、品質トラブルを招いたりすることが少なくありません。
こうした問題を未然に防ぎ、安定した生産体制を維持するためには、
①日常の適切なメンテナンス
②プロによる再研磨・再生加工
という二つを組み合わせることが非常に重要です。
再研磨・再生加工を計画的に活用すれば、「工具のどの状態がベストなのか」「交換タイミングはどこか」といった判断も明確になり、工具管理に掛かる手間が減らせます。結果として、加工品質の安定、設備トラブルの減少、コスト削減といった大きな効果が期待できます。
本記事では、株式会社ハマツールが提供する「再研磨・再生加工」の特徴とメリット、そして現場で今日から実践できるメンテナンス方法まで、わかりやすく紹介します。
工具の寿命を劇的に延ばす「再研磨・再生加工」とは?
ハマツールの再研磨・再生加工は、摩耗したドリル、エンドミル、リーマなどの刃部をミクロン単位で研ぎ直し、新品同等の性能まで回復させる技術です。自社製はもちろん、他社製工具や特殊形状工具(オーダーメイド工具)にも対応できることが大きな強みで、加工現場の多様なニーズに柔軟に応えることができます。
1. ハマツールの再研磨・再生加工サービスの4つのメリット
メリット1. 大幅なコスト削減と経済的効果
- 新品購入の 1/5〜1/10 の費用で再生が可能
- 超硬工具・特殊工具では 1本あたり数万円規模の削減 が期待できる
- 年間の工具購入費を 50%以上削減した事例 も多数
- 工具寿命が 2〜3倍に向上 するため、長期的な財務メリットが大きい
ただコストを抑えるだけでなく、同じ加工条件で安定した切削性能を維持できるため、品質面でも高い効果を発揮します。
メリット2. 環境負荷の低減とSDGsへの貢献
工具再生は、現代の製造業にとって欠かせない「環境配慮」面でも大きな価値があります。
- 廃棄工具の削減で廃棄物を大幅に抑制
- 新品製作に必要な原材料の消費を削減
- 工具製造プロセスが不要になるため CO₂排出量を約70〜90%削減
ハマツールは創業以来受け継がれる「優秀な技術」「誠実」「労使相互の和」の精神を大切にし、資源を大切にするものづくりを支え続けています。

メリット3. 有効活用とカスタマイズによる性能向上
ハマツールの再生加工は、単に摩耗を回復させるだけではありません。
- 再研磨:刃部の切れ味を回復
- チップ交換:刃先のみ交換して工具を再利用
- 改造・追加工:刃径・角度の調整、新たな刃付けも可能
さらに、再研磨後にコーティングを施すことで耐摩耗性や耐熱性を向上させ、「新品以上の性能」を引き出すことも実現できます。加工条件やワーク材質に合わせて最適な仕様に仕上げられるのは、専門業者ならではの強みです。
メリット4. 短納期対応と生産性維持
新品の工具製作には材料の手配からになるので時間がかかることがありますが、再研磨は工程が短いためスピーディーに提供できます。また、予備工具とのローテーションを上手く組み合わせることで、ラインを止めずに工具再生を行えるため、生産性を損なわずに工具を最良の状態で運用し続けることが可能になります。
2. 再研磨サービスのご利用の流れ(ハマツール)
- お問い合わせ:現状の工具や困りごとを相談
- 工具のお預かり・状態確認:摩耗・損傷・改造可否などをチェック
- お見積もり提出:工法・費用・納期をご提案
- 加工:承認後、精密加工を実施
- 検査・納品:全数検査を経て安心の状態で納品
独自の生産管理システム「HOPE」と熟練技術者の手によって、高い品質と安定した納期が実現されています。
工具を長持ちさせる日常メンテナンス方法(業界標準)
再研磨技術が優れていても、日々のメンテナンスが不十分だと工具寿命は大きく短くなります。適切なメンテナンスを継続することで、寿命は2〜3倍に延長 され、加工品質の安定や作業者の安全確保にもつながります。
1. 基本メンテナンス:使用後に行う3ステップ
● 清掃(切りくず・汚れの除去)
- 切りくずをウエスで除去
- クーラント使用後はエアブローで水分を完全除去
- 手工具は乾いたウエスで軽く拭き取り、溶剤の使用は避ける
● 錆防止(防錆油の塗布)
- 清掃後に完全に乾燥させる
- 刃先のみに防錆油を薄く塗布
- メッキ部・グリップは塗布不要
● 保管(湿度管理が重要)
- 高温多湿を避ける
- 防湿キャビネットや専用ケースが理想
- 工具箱には乾燥剤を併用すると効果的
2. 工具寿命を延ばす加工条件最適化
● 切削速度
発熱・摩耗を抑えるため、被削材とメーカー推奨値を基準に調整。
● 送り速度
負荷軽減と加工面品質のバランスを最適化。
● クーラント管理
濃度は週1回以上測定し、2〜10%を維持。
浮上油の除去や定期交換も必須。
● 加工方法
エンドミルならダウンカットに変更するなど、刃への負担軽減がポイント。
持続可能な「ものづくり」を実現するために
切削工具は、もはや「使い捨ての消耗品」ではなく、再生可能な資産 として捉えるべき時代に入っています。
- 日常の丁寧なメンテナンスで寿命を最大化
- 摩耗が進んだ段階でプロの再研磨・再生加工を活用
この二つを組み合わせることで、
経済面(コスト削減)・技術面(高精度加工)・環境面(CO₂削減)
のすべてにおいて大きなメリットを得ることができます。
株式会社ハマツールは、熟練技術と誠実な姿勢で、これからもお客様の“持続可能なものづくり”を支えてまいります。
高価な特殊工具の再生、他社製工具の再研磨、環境対応を進めたいお客様は、ぜひお気軽にご相談ください。
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