超硬ろう付け(ロウ付け・ロー付け)工具の必要性
切削加工の現場では「精度の安定」と「加工コストの最適化」が常に求められています。特にロボット関連機器部品、二輪・四輪自動車部品、半導体および情報通信機器部品、住宅関連バルブ部品など、多品種・高精度が要求される分野では、超硬切削工具の選び方が生産効率に大きく影響します。
しかし、一般的なカタログ品では、
- 工程に最適化されていない
- 工具寿命が安定しない
- 特殊形状への対応が難しい
といった課題が生じがちです。
これらの課題を解消する技術として注目されているのが、ハマツールのろう付け技術を用いた超硬特殊切削工具です。本記事では、ロウ付け技術の基本から、なぜ工具性能に直結するのか、そしてオーダーメイド工具のメリットまで解説します。
ろう付け(ロウ付け・ロー付け)とは何か?
ろう付け(ロウ付け・ロー付け)とは、銀ロウやサンドイッチ銀ロウ(銀ろうと銀ろうの間に銅板を挟んだもの)などの金属を溶融させ、糊のように部材同士を接合する技術です。切削工具では、鋼のシャンクに超硬チップを接合する際に用いられ、接着では得られない高強度・高精度の結合が可能になります。
ハマツールでは、
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高周波ロウ付け装置を使用しています。
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ろう付け前の超硬チップの研磨処理を行い、接合部の強度を高めています。
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ろう付けには特殊溶剤であるフラックスを適量使用しています。
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仕入れる銀ろうの品質維持と、厚みなどの使用状態の確認を実施し、接合部へ溶かす銀ろうを均一化し、品質を維持しています。
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ろう付け後の製品は、徐冷装置でゆっくりと時間をかけ冷却し、ゆがみや割れ、変形などを防ぎ高品質を維持しています。
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社内規定により特殊工程資格認定を設け、特殊技術及び特殊教育を実施し、ロウ付け作業者の技能・技術向上や高品質のレベルを維持しています。
これらの取り組みにより、チップの位置精度、耐熱性、耐衝撃性を高いレベルで高精度なろう付けを行っています。
ろう付けの品質は、実は工具寿命や加工精度に直結する非常に重要な工程です。
ロウ付け工具とは?
ロウ付け工具は、金属母材に超硬をロウ付けして一体化した工具の総称です。以下に代表的なタイプを紹介します。
超硬板チップロー付けバイト・カッター類・リーマ

板形状の超硬チップをシャンク材となる鋼材にロウ付けしたものを呼びます。超硬板チップは巾5㎜程度のサイズのものから巾20㎝以上のサイズと幅広く、ロウ付け時の加熱方法に技術を要します。溶着精度が悪いと切れ味にムラが出やすいため、「高精度ロウ付け技術」が品質の中心になります。一般的に中サイズのものはロウ付けし易いですが、小さいモノ、大きいモノになると熱の伝わり方が変わり、それらのろう付けには特に高い技術が求められます。チップ交換をすることで工具寿命も長く保つことができます。また工具のコストダウンにもつながります。
超硬先ムクドリル・リーマー・エンドミル(他:超硬センター)

中大径での加工に強みを持つもので、ソリッド(オール超硬)で製作した場合に超硬価格が高くなってしまうため、シャンク部分を鋼材に置き換え、刃部のみを超硬とし、Vカット又は埋め込みロウ付けで接合したものをいいます。工具のコストダウンと、靭性や耐久性などを両立し、芯ずれ等を極小に抑えることが可能です。
超硬ロー付け総型錐

厚さが4~6㎜程度超硬板チップを鋼材の間に挟む形でろう付けしたものをいいます。バルブ部品や自動車部品、複合材の切削加工に多く用いられています。チップを最適位置にロー付けすることで、工具の振れ精度と寿命が左右されます。この形状もチップ交換をすることで工具寿命も長く保つことができます。また工具のコストダウンにもつながります。
価格帯は形状・本数・超硬材質や大きさによって変動しますが、特注でも量産品よりコストメリットが出るケースが多いのが特徴です。
ロウ付け工具が製造現場にもたらす利便性
◎ 耐久性と切削性の向上
ロウ付け部の強度が高いため、切削抵抗の大きい加工にも対応します。特にステンレス、耐熱合金などの難削材では、超硬チップの保持力が性能を大きく左右します。
◎ チップ交換によるコストダウン
ハマツールでは、摩耗部分のみを「チップ交換」できるため、工具全体を買い替える必要がありません。
これにより、
- 工具単価の削減
- 工具在庫の最適化
- 安定した加工精度の維持
- 環境に配慮した製品
が可能になります。
ハマツールのオーダーメイド特殊ロウ付け切削工具のメリット
◎ 工程集約と加工効率の向上
オーダーメイド切削工具・カスタムメイド切削工具として、加工工程に合わせて工具形状を最適化できます。
- 面取り+穴あけの一体化
- 特殊R加工の専用工具化
- ロボット関連機器部品の複合加工用工具
など、工程短縮が可能です。
◎ 専用機・治具に合わせた工具設計
既存の加工機や治具に合わせて工具寸法・突出し・チップ角度を最適化できるため、
「機械は変えずに加工精度だけ改善したい」という課題に最適です。
◎ アフターフォロー(設計改善・チップ交換対応)
ハマツールは工具製作だけでなく、
- 再研磨
- チップ交換
- 加工条件のチューニング(切削工具の追加工や形状変更など)
まで一貫して対応可能。長期運用でのコスト最適化を実現します。
ロボット部品メーカー・住宅関連バルブ加工での成果
ロボット関連機器部品加工メーカー
既存のスロアウェイチップ交換式工具で加工精度が安定せず、寸法バラつきが課題となっていました。
ハマツールが高精度ロウ付け技術でチップを最適位置へ固定したオーダーメイドロウ付け工具を提案。
結果:
- 加工精度が±0.01mm以内に安定
- 工具寿命が従来比30〜40%向上
- 月間加工コストを約20%削減
と、大きな改善が得られました。
住宅関連バルブ(ガス・エアコン・水道)メーカー
部品加工で溶着の問題や切れ味の低下が早く、生産効率に影響していました。
特殊ロウ付け工具への置き換えにより、
- 切削抵抗が低下し、バリ量も減少
- 工具交換頻度が1/2に
- 生産ラインの停止時間を20%削減
効率と品質の両立に成功しています。
課題解決への第一歩としてお気軽にご相談ください
ロウ付け技術は、単に「チップを付ける工程」ではなく、工具の性能・精度・寿命を左右する核となる技術です。
ハマツールでは、高周波精密ロウ付け装置を活用した高精度ロウ付けを軸に、さまざまな加工現場の課題を解決してきました。
- 既存工具の性能に満足していない
- 加工精度の安定化に課題がある
- 工程を短縮したい
- 特殊形状対応の相談をしたい
といったお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
ハマツールのろう付け技術で、貴社の加工品質をもう一段上のレベルへと引き上げるお手伝いをいたします。